三十石船

　豊臣秀吉の伏見城築城によって、城下町伏見と大阪の間の交通機関として淀川の水運が利用され、その時使われた船が三十石船と呼ばれていました。

《米三十石（４.５００ｋｇ）相当の積載能力を持つ和船》

《全長五十六尺（約１７ｍ）・全幅８.３尺（約２.５ｍ）・定員２８人》

（大型観光バスのサイズ・全長１２ｍ・全幅２.５ｍ）

　大阪からの上りは綱を引いて上る曳船で（一部は棹を差して上る）

十一里余り（約４５ｋｍ）を、大変な労力と時間をかけて伏見の町まで人や荷物を載せて上りました。

（朝早く大阪を出て夕方に伏見に着く。約１２時間）

伏見からの下りは川の流れを利用して大阪まで運びました。

（夜に伏見を出て早朝に大阪に着く。約８時間）

明治になると蒸気機関車の採用によって、鉄道が急速に普及し水運から鉄道輸送に変わり三十石船も徐々に姿を消していきました。

淀川　三十石船　由来

徳川時代初期１６００年代の初めから明治中期にかけて京都と』

大阪を結ぶ交通の大動脈であった淀川で旅客の運送に用い』

られた船である。長さ五丈６尺（約十七米）幅８尺３寸（二.』

五米）乗客二十八名船頭五・六名（上り船）三.四名（下り船）に』

米を三十石（七十五俵）積み込めた大きさの船であり旅客船』

として転用された所から名付けられた』

当時大阪は八軒家・伏見は京橋が主な船着場であった距離』

にして約十一里半（四十五粁）上りは綱を引き棹をさし約十二時間』

下りは流れに乗って櫓を漕ぎながら約八時間の当時の旅であった』